むかわ町の自然や文化を後世に伝えよう!「むかわ町田園教育力再生協議会」




鵡川柳葉魚浜まつり
「母なる川」と呼ばれる鵡川は、日高山脈北部の狩振岳を源に、占冠村を抜けて穂別川と合流し、太平洋に注ぐ一級河川です。
古くからししゃもや鮭が遡上する「豊漁の川」として知られてきましたが、ししゃもが絶滅の危機に瀕した時期もありました。町民が川を守るさまざまな活動を行うことで、再びししゃもが戻ってくるようになったのです。
「むかわ町田園教育力再生協議会」は、鵡川をはじめとする自然やまちの文化を守り、後世に伝えるための活動を行っています。そのなかのひとつ「鵡川柳葉魚(ししゃも)浜まつり」は、まちのシンボルでもあるししゃもの歴史や文化を広めるための一大イベント。食べるだけではなく、町ぐるみでししゃもへの理解を深めていくために、たくさんの民間団体と協力して開催しています。
むかわ町では、さまざまな団体がそれぞれの活動を行いながら、まちの財産である自然や文化を守りつづけています。

【川のこと】河川清掃活動などに取り組む「むかわ町一級河川鵡川愛護協会」

河川清掃活動などに取り組む「むかわ町一級河川鵡川愛護協会」
鵡川の美化啓蒙と清掃活動を中心に行っている「むかわ町一級河川鵡川愛護協会」。毎年、春になると町内の老人クラブを中心に、100名前後の人が集まって河川敷のごみ拾いを行っています。
もともとは30年ほど前に農家の人たちがはじめた活動ですが、自然環境への意識の高まりとともに町民を巻きこんだ大きなウエーブになりました。いまでは町が事務局となり、積極的な活動を続けています。「鵡川は、まちにたくさんの恵みをもたらしてくれる川。河川環境を守ることは、自分たちのまちを守ることにつながります」とむかわ町総務企画課の阿部博之さん。
これからも、誰もが気軽に参加できる活動をしていきます。


【川のこと】自然と親しむがモットー「ネイチャー研究会inむかわ」

自然と親しむがモットー「ネイチャー研究会inむかわ」
自然と親しむがモットー「ネイチャー研究会inむかわ」
鵡川の四季を楽しむことをモットーに、1996年に結成された自然愛好家のグループ。「自然のなかで遊ぶことが好きな人集まれ!」「素敵な自然を子供たちへバトンタッチ!」がキャッチフレーズです。
以前の鵡川河口付近は、広範囲で干潟が見られ、シギ、チドリなどの野鳥が飛来し、川にはたくさんの魚や水生生物が生息していました。ところが、環境の変化により干潟が激減し、生態系に影響が出てきました。そこで自然干潟の再生のために、人工干潟の造成・調査などを積極的に展開。また、干潟へのピクニック、自然観察会、星座観察会など親しみやすい活動をとおして、自然の大切さと尊さを広く発信しています。


【川のこと】水辺の体験学習で川と親しむ「NPO法人鵡川・沙流川交流会」

水辺の体験学習で川と親しむ「NPO法人鵡川・沙流川交流会」
水辺の体験学習で川と親しむ「NPO法人鵡川・沙流川交流会」
川や魚とふれあいながら楽しく学ぶ「かわ塾」を実施しています。
鵡川か沙流川をフィールドに、毎年夏に開催。小学校3年生から中学生が対象で、カヌー体験やライフ・セービング、水生生物の観察や調査など、川に親しむことで自然環境に関心をもってもらうことが目的です。
子供たちに特に人気なのが、カヌー体験。救命胴衣をつけて、2、3名ずつカヌーに乗りこみます。ときには転覆することもあり、歓声と悲鳴をあげながらも笑顔がいっぱいです。
50名近くの子供が参加し、アウトドアのプロや流域生態の研究者、カヌークラブのメンバーなどが講師役を務めています。


【川のこと】水柳葉魚(ししゃも)への思いを持つ人が集う「むかわ柳葉魚を語る会」】

水柳葉魚(ししゃも)への思いを持つ人が集う「むかわ柳葉魚を語る会」】
「むかわ柳葉魚を語る会」代表 中井弘
むかわ町ではかつて、ししゃもの消滅が危ぶまれたことがありました。そのとき、貴重なししゃもを守るため、4年間にわたって自主禁漁を実施。「むかわ柳葉魚を語る会」が設立されたのは、禁漁3年目のことです。
代表の中井弘さんは当時を振り返り、「専門家の講演を聞き、実はししゃもについて何も知らないということに気づきました。ししゃもはむかわ町にとっての宝。このまま失われてしまうのはもったいないと思いました」と語ります。
ししゃもについて広く知ってもらうため、チラシの新聞折り込み、パネル展示、イベントやシンポジウムの開催を続け、その地道で熱心な活動はテレビなどのマスコミにも取りあげられました。
設立当時は30名ほどだった会員もいまでは100名になり、そのうち30%が東京や九州など町外の人です。