最初の発見(HMG-1747:Baculites regina):苫小牧市からむかわ町穂別に帰省中の小学生が7/28(土)16:30ごろに博物館敷地内(植木や砂利のある場所)に落ちているのを発見し持ち帰る*。8/4(土)の新聞報道で、盗難された化石であることに気がつき、9:30ごろに博物館に化石を渡す。
第2の発見(HMG-1720: Tetragonites terminus):8/4(土)12:05ごろに、最初に発見した場所で、小石一つ一つを持ち上げて探す中で、最初の発見をした小学生がもう一つのアンモナイトも発見する。

発見・回収されたアンモナイト2点(pdf)
発見された資料の状態:大きな傷などは見受けられず、資料としてはほぼ完全な状態で発見された。ただし、修正液と細いマジックで記入した当館の標本番号が削られていたため、軽いイタズラで標本を持ち出したのではなく、窃盗を目的とした行為であったと推測される。

発見された資料の状態:標本番号を記していていた部分(修正液を塗布した部分)が削られていた。(pdf)
*8/3付けの博物館の発表では、盗難された日時を7/29(日)、もしくは7/30(月)としていましたが、それよりも前に盗難されていたと思われます。
盗難されたアンモナイトが入っていたガラスケース内に残されていた指紋の大きさから、犯人は大人であると推測しています。
盗難された日時:7/29(日)もしくは7/30(月)の博物館開館時間内
盗難判明の経緯:7/30(月)の閉館作業・清掃中に当館職員が発見。7/28(土)の閉館作業中には異変がなかったことが確認されているので、その後の2日間のいずれかで盗難にあったと推測される。
盗難された資料:アンモナイト2点 むかわ町穂別博物館研究報告第32号掲載論文(An early Maastrichtian (latest Cretaceous) ammonoid fauna from the Soya Hill area, Hokkaido, northern Japan. Yasunari Shigeta, Masataka Izukura, and Yukiyasu Tsutsumi)で図示されているHMG-1720: Tetragonites terminus(論文中Fig. 17I-L);HMG-1747:Baculites regina(論文中Fig. 23Y-AC)
北海道で始めて確認されたゴードリセラス・イズミエンゼ(アンモナイト)帯下部(白亜紀末マーストリヒチアン期)のアンモナイト群(ホッピーだよりNo. 388)

盗難されたアンモナイト2点(左:HMG-1720 Tetragonites terminus;右:HMG-1747 Baculites regina【棒状のアンモナイト】)(学術論文で図示のため標本をホワイトングした状態の写真)(pdf)
盗難の状況:鍵付のガラスケースの天板を動かし、鍵受けを脱落させる。展示ケース上部のガラスを持ち上げる形でアンモナイト2点を盗難。

盗難前の展示状況(pdf)

盗難された状況(pdf)

盗難状況説明(pdf)
被害届の提出:8/1(月)に被害届を苫小牧警察署に提出。犯人がガラスケース天板を持ち上げた際にガラス天板内側に付いた指紋を採取。
博物館に展示している資料は、当館およびむかわ町の財産であるだけでなく、広く一般の方に見学してもらうものです。それだけでなく、今回盗難された資料は、穂別博物館研究報告(学術論文)に掲載されたものであり、研究で発見された新知見の証拠となるものです。このような資料は永年保存をし、世界各地の研究者からの照会にも対応すべきものです。
このような資料が、今回盗難されたことは関して、強い憤りを感じ、かつ遺憾に思います。匿名で構わないので、盗難した資料を返却することを強く要望します。
また、今回はガラスケース内の鍵受けの接着が経年劣化していたこともあり、結果として盗難を許す形になってしまったことを標本寄贈者で論文著者の伊豆倉正隆氏(札幌市)、論文著者の重田康成氏(国立科学博物館)・堤之恭氏(国立科学博物館)、むかわ町民ならびに当館の利用者の皆様に深くお詫びします。今後は事故防止のため、職員による巡回を増やすとともに、展示資料の管理と展示方法について改めて見直しを行い、再びこのような事故が起きないように努めます。
むかわ町穂別博物館
北海道150年記念事業(北海道立総合体育センター 北海きたえーる)において、むかわ竜(むかわ町穂別産)の大腿骨・尾椎骨(博物館に常設展示されている資料)が8月6日から7日に同会場で一般公開されます。また、前日の8月5日には、同化石を天皇皇后両陛下に御供覧いただきます。
その展示のため、8月4日~8日にかけて、常設展示しているむかわ竜の尾椎骨・右大腿骨が当館の展示から不在となります。
常設展示しているむかわ竜化石(8月4日~8日は不在)
代わりに8月4日~8日に、初公開の肩甲骨・上腕骨などを含むむかわ竜化石を常設展示します(研究中のため写真撮影は禁止)。

8月4日~8日の常設展示(初公開の肩甲骨・上腕骨など)
なお、ホールにはむかわ竜実物大レリーフが展示されています。

むかわ竜レリーフ(右)(博物館ホール)


ホッピーだよりNo. 405(低解像度)(pdf)
(高解像度のpdfは博物館HPに掲載します。
http://www.town.mukawa.lg.jp/2407.htm)
寄贈資料展2018紹介
発掘体験ツアー - むかわ竜の発掘現場で恐竜をさがそう-
の紹介・参加募集を掲載しました。
追記:9月6日に胆振東部地震(むかわ町穂別地区で震度6強)で当館も被害を受けました。そのため、発掘体験ツアーはすべての回を中止させていただきます。申し込みをしていただいた方々にお詫びいたします。

むかわ竜コーナー

実物大むかわ竜タペストリー

むかわ竜化石(研究中のため撮影禁止)
仙台市科学館の特別展(平成30年7月21日~8月26日)にむかわ竜の展示コーナーが設けられ、実物の化石4点(胴椎1、肋骨1、歯2点:ただし撮影禁止)が展示されています。
平成30年度スリーエム仙台市科学館特別展(リンク)
2018年7月21日
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