2014年9月1日
むかわ町穂別での恐竜発掘⑥-恐竜の発掘(2013年の第一次発掘)②-
穂別博物館 2014年9月1日
in むかわ竜,広報むかわ
恐竜化石の産状。当時の海底面がほぼ垂直で、写真は地層の下側から撮影。右大腿骨と脛骨・腓骨が関節している状態で産した。この部分は硬い石灰質ノジュールで覆われていて、その周囲は軟らかい地層。
恐竜の発掘(2013年の第一次発掘)②
今回の恐竜が産した地層は軟らかいので、露出した骨化石にアクリル樹脂をかけて補強しながら発掘を進めました。一方で、一部の骨化石周辺は石灰分が濃集しているノジュールになっていて、そこだけとても硬いため、軟らかい部分と同時に採集することが難しくなっていました。特に軟らかい部分の骨化石については、ほとんどすべてで、石こうを染み込ませた麻布で骨と地層を一体化させて補強しながら(写真の白い部分;石こうジャケット)、化石を地層ごと取り出しました。
今回の発掘では尾から後足の大部分が採集されました。右後足のモモとスネの部分(大腿骨〔だいたいこつ〕と脛骨〔けいこつ〕・腓骨〔ひこつ〕)は恐竜が生きていたときと同じように関節した(つながった)状態で産しました。この恐竜は海底に沈んだときに右ひざを曲げた状態で、そのまま化石になったことが分かりました。こうした骨の分布から、体の前方や頭の部分は、写真の下(現在の重力方向)の方に続いていると考えられます。
(広報むかわ2014年9月号より) 広報むかわ
2014年9月1日
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