2014年4月25日
むかわ町穂別での恐竜発掘①
穂別博物館 2014年4月25日
in クビナガリュウ,むかわ竜,広報むかわ
恐竜の発見にいたる背景
2013年9月からむかわ町穂別で恐竜の発掘が始まりました。第二次発掘は2014年9月に予定されています。これから数回にわたって、恐竜の発見にいたる背景や発掘について紹介します。
むかわ町北部の穂別地域には主に白亜紀の海成層(海でたまった地層)からなる蝦夷(えぞ)層群とよばれる地層が分布します。穂別地域では白亜紀の中ごろから後期にあたる約9,900万年前から約7,000万年前の地層が露出しています。白亜紀末(約6,600万年前)には恐竜・首長竜・アンモナイトなど多くの生物が絶滅しました。蝦夷層群からは、こうした絶滅してしまった古生物(こせいぶつ)の化石が産することで有名です。
蝦夷層群から産する化石・古生物の研究は古くから行われてきました。穂別地域での最初の研究は、1903年のアンモナイト数種類が新種として報告されたものです。その後も1950年代や1970~90年代を中心にアンモナイトやイノセラムス科二枚貝について多くの研究が行われてきました。
1975年に穂別市街に在住する荒木新太郎さんが穂別地域北部の長和で、のちにホベツアラキリュウ(愛称ホッピー)と名づけられる首長竜を発見し、未回収の部分について、(旧)穂別町が中心となって1977年に発掘を行いました。この首長竜を町に保存し展示することを目的として穂別町立博物館(2006年にむかわ町立穂別博物館に名称変更)が1982年に建設されました。この発見が注目されたことと、博物館が設立されたことで、希少な脊椎動物化石が地元の方々の協力や博物館の活動などによって、多数集まるようになってきました。(穂別博物館 学芸員 西村智弘)
(広報むかわ2014年4月号より)
広報むかわ
2014年4月25日
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